外壁塗装を検討するうえで考えなければならないのが塗料の種類です。
色や価格はもちろんのこと、住まいに合った機能が付いた塗料を選ぶことが大切です。
また、外壁塗装のサイクルにより塗料の選び方も変わってきます。
このページでは外壁塗装の塗料の選び方についてご紹介します。
外壁塗料の種類
外壁塗装の塗料にはさまざまな種類があり、製品も多数開発されています。
種類は主原料により分かれており、それぞれ特徴や機能性が異なります。
ウレタン塗料
ウレタン塗料はポリオール樹脂を主材とした塗料で、光沢感があり、色鮮やかな仕上がりが特徴です。
ウレタン塗料は一定の耐久性がありながら低価格という長所があり、シリコン塗料が普及する前までは外壁塗装では主流の塗料でした。
密着度が高く伸びも良いので、ひび割れが起こりやすいモルタルやコンクリート外壁で比較的塗膜を長持ちさせることができます。
耐用年数が約6~8年とやや短いという点がデメリットです。
シリコン塗料
シリコンが主成分となった塗料です。
ケイ素原子と酸素原子によるシロキサン結合と呼ばれる結合を含んでおり、結合すると非常に強く、紫外線の影響を受けにくく劣化しにくいという特徴があります。
価格と耐用年数のバランスが良いため、現在最もポピュラーな塗料です。
人気が高いため、商品の数もカラーバリエーションも豊富ですので、特にこだわりがない場合はシリコン塗料を選んでおけば間違いありません。
フッ素塗料
フッ素塗料はフライパンに使用されているフッ素樹脂を主材とした塗料です。
結合力が強く表面が滑らかなため、汚れの定着を防ぐことができ、高い親水性により汚れを雨で洗い流す機能があります。
耐光性・耐久性が高く、航空機や橋梁、ビルや商業施設などの大きな建物にも使用されています。
一般住宅ではやや価格が高いため、屋根塗装など部分的に利用されることも多い塗料です。
光触媒塗料
光触媒塗料は塗料に酸化チタンが含まれており、これが光に当たると酸素と水と反応し、有機有害物質を二酸化炭素と水に変化させて無害化します。
そのため、工場の排煙や排気ガスが浮遊している地域に住宅が立地している場合、光触媒塗料で外壁塗装することで汚れを分解する機能を発揮します。
また、親水性が高く、雨が降ると水の膜が外壁の上を覆い、汚れを浮かせて雨水で洗い流す効果があります。
ただ、光と反応する特性を持っているため、日が当たらない場所では効果を発揮できないというデメリットがあります。
無機塗料
無機塗料はセラミックやケイ素などの無機物を主成分とした塗料です。
一般的な塗料は有機物の樹脂が主成分となっているため、樹脂が紫外線に破壊されて劣化していきます。
一方で、無機塗料は無機物を主成分としているため、紫外線で破壊されにくく、劣化スピードが遅いとう特徴があります。
そのため、海沿いの工場などの外壁塗装に採用されています。
無機塗料は耐用年数が約20~25年と長く、外壁塗装の寿命が長いのが特徴ですが、雨樋などの付帯部分の塗装の寿命は10年程度ですので、塗装のタイミングが合わない傾向があります。
そうなると付帯部分と外壁塗装を同じタイミングで出来なくなってしまい、かえってコストパフォーマンスが低くなってしまうことがあります。
外壁塗料の耐用年数
外壁塗料は塗料の種類によって耐用年数が異なります。
塗料の種類 耐用年数 施工単価(㎡)
ウレタン塗料 約6~8年 約1,700~2,200円
シリコン塗料 約8~12年 約2,300~3,000円
フッ素塗料 約12~20年 約3,800~4,800円
光触媒塗料 約15~20年 約4,200~5,000円
無機塗料 約20~25年 約4,500~5,500円
一般的に塗料の耐用年数が長くなるにつれて施工費用が高くなっていきます。
耐用年数が長い塗料を使えば外壁塗装の頻度を少なくすることができますが、塗料の単価が高いため、費用と施工タイミングのバランスを考えて塗料を選ぶことが大切です。
外壁塗装の色の選び方
外壁塗装では色選びも重要です。
色の選び方は汚れにくさや周辺の景観に合わせることがポイントとなります。
淡い中間色は汚れや色褪せが目立ちにくい
外壁は年月が経つと汚れや塗装の色あせが目立ってきます。
汚れや色褪せは外観を悪くし、家を古く見せてしまうため、外壁は汚れや色褪せが目立ちにくい色を選ぶのがポイントとなります。
汚れや色褪せが目立ちにくいのは淡い中間色で、具体的にはライトグレー、ベージュ、アイボリー、クリーム色です。
逆に原色は汚れや色褪せが目立ちやすいカラーです。
周辺の景観に合わせることも大切
外壁の色を選ぶときは好きな色を選ぶことが大切ですが、周辺の景観に合わせることも大切です。
地域によっては外壁に使える色を制限する景観条例を施行している自治体もあります。
奇抜なカラーを外壁に採用するとそういった地域のガイドラインに抵触してしまう可能性がありますので、周りの景色や街の雰囲気に合わせた塗料の選び方も重要です。
色見本は大きなもので比較する
外壁塗料の色選びでよくある失敗が小さいサンプルしか見なかった、というものです。
色は小さい面積だと濃く見え、大きい面積だと薄く見えるという見え方の特性があります。
そのため、小さいサンプルだけで選んだカラーを実際に外壁に塗ると白っぽく見えてしまい、「思っていた以上に白くなってしまった」ということが起こります。
外壁塗料のサンプルはA4サイズの大きいものを取り寄せ、屋外で実際の外壁に照らし合わせて晴れの日、曇りの日、夜間で見比べて決めると安心です。
ツートンカラー外壁も人気
最近では2色の外壁の色を使うツートンカラー外壁も人気があります。
一般的に同じ色味の濃淡で2色を使い、1階と2階を塗り分けたり、縦にラインを入れるように塗り分けたりします。
ツートンカラー外壁は、家を大きく見せたり、立体感を持たせる効果があります。
外壁塗料選びは塗装業者と一緒に行うと安心
外壁塗装の塗料の選び方をご紹介しました。
塗料選びは価格や耐用年数、塗料が持つ機能で選んでいきます。
何年おきに外壁塗装を行うつもりなのかを考え、それに合わせた耐用年数の塗料を選ぶことも大切です。
また、お住まいの地域の環境により、それに適した機能を持つ塗料を選ぶと良いので、外壁塗装業者に相談しながら一緒に選んでいくと失敗が少なくなります。