「外壁塗装は10年に1回の目安で塗り替えが必要と聞いたけど、本当に必要なのか?」
「うちの外壁はまだきれいだからまだ塗り替えは必要ないのでは?」
と思われている方もいらっしゃるかもしれません。

外壁塗装は目に見えない劣化が起こっている可能性があるため、定期的な塗り替えが必要となります。

ここでは、外壁塗装の塗り替えの必要性と塗り替え時期について解説します。

 

外壁の塗り替えの必要性

 

外壁塗装の最大の目的は建物の「保護」

外壁塗装は住宅の見た目を綺麗にするためと思われている方も多いかと思います。
もちろん、外観を綺麗にすることも目的ですが、最も大切な目的は建物を塗装の塗膜で覆い、風雨や紫外線から家を保護することです。

日本の家屋は木材で出来ている建物が多いため、雨水が浸入すると木材を湿らせ、やがて腐食させてしまいます。
重要な柱や梁が腐食してしまうと最悪の場合、建物が倒れてしまう危険性があります。

このようなことを防ぐために、外壁や屋根を塗装して塗膜でコーティングする必要があります。

 

外壁塗装の塗膜には寿命がある

外壁塗装の塗膜は建物を風雨や紫外線から保護する役割がありますが、塗膜も経年により劣化していきます。
劣化した塗膜は防水機能が失われ、雨水が染み込みやすい状態になり、住宅の雨漏りリスクを高めます。

そのため、定期的な塗り替えは必須となります。

外壁塗装の寿命は一般的に、新築時に使用されている塗料で約5～10年、塗り替え時に使用する塗料で10年程度です。

日本の住宅の平均寿命はおよそ30年と言われていますが、塗り替えを行っていなければ塗膜が劣化し、外壁材が雨で劣化して家の寿命を縮めてしまいます。

住まいを長く健康に保つためには、10年を目安とした塗り替えが大切です。

 

劣化が進行すると外壁塗装では済まなくなるケースも

外壁塗装は一見傷んでいないように見えても劣化が進行しているケースがあります。
また、一部だけに塗装の剥がれなどが見受けられていても、劣化そのものは全体に広がっていることも多くあります。

劣化が進行すると、外壁材に雨が染み込み、外壁材を傷めてしまいます。
外壁材が大きなダメージを受けている場合、外壁塗装では対応できず、外壁材の張り替え、または重ね張りで対応することになります。

外壁材の張り替えや重ね張りは外壁塗装に比べて大掛かりな工事で、費用も高額になります。

このような事態に陥らないためにも、定期的な塗り替えを行い、外壁材の劣化を防ぎましょう。

 

各種塗料の耐用年数と特徴

外壁塗料にはさまざまな種類があり、塗料によって機能性や耐用年数が異なります。
外壁の塗り替えのタイミングは塗料選びである程度調節が可能です。
塗り替えの頻度を少なくしたい場合はグレードの高い塗料を選びますが、施工費用も高くなるため、コストと耐用年数のバランスを考えて塗料選びをすると良いでしょう。

 

ウレタン塗料

耐用年数・・・約6～8年

ポリオールが主材となっている塗料で、伸縮性があるため、モルタル外壁でよく使用されています。
光沢感があるのが特徴です。

 

シリコン塗料

耐用年数・・・約8～12年

近年では最もスタンダードな塗料で、シリコンを主材としています。

価格と耐用年数のバランスが良く、コストパフォーマンスが高いこと、種類、カラーバリエーションが豊富な点が魅力です。

塗料選びで迷ったらシリコン塗料を選ぶと良いでしょう。

 

フッ素塗料

耐用年数・・・約12～20年

フライパンでおなじみのフッ素樹脂を主材とした塗料です。

フッ素は、航空機などにも使用されており、紫外線や汚れに強く耐久性が高いという特徴があります。

防汚性にも優れ、外壁に付着した汚れを雨水で洗い流す効果もあります。

 

光触媒塗料

耐用年数・・・約15～20年

光触媒塗料は塗料に配合された酸化チタンという成分が光に当たると酸素と水に反応して有機物質を分解する機能を持った機能性塗料です。

排気ガスなどの汚れを分解するという効果が期待できます。

光触媒塗料の塗膜は親水性に優れており、雨が降ると雨水が表面に薄い膜のように広がり、外壁表面に付いた汚れを洗い流すセルフクリーニング機能を持っています。

幹線道路の近くや工場の近くに立地する住宅におすすめです。

 

無機塗料

耐用年数・・・約20～25年

ガラスやセラミックの原料となるケイ素などを主材とした塗料です。
多くの外壁塗料は樹脂の含有量が多く、樹脂が紫外線により破壊されて外壁塗装の劣化につながります。

しかし、無機塗料は成分の多くが無機質のため、紫外線による劣化がほとんどなく、高い対候性を誇ります。

そのため、塗り替え頻度を大幅に減らせます。
ただし、施工費用が高いため、一般的な住宅ではオーバーコストな面もあります。

 

外壁塗装の劣化症状もチェックしておく

住宅が建っている環境などにより、耐用年数よりも早く外壁塗装が劣化するケースもあります。

定期的に外壁の状態をチェックしておき、劣化症状を見つけたら早めに外壁塗装を手配しましょう。

 

チョーキング

外壁を触ると手に粉が付いてくる現象です。
塗膜の防水機能が切れていることを示しています。
チョーキングが起こっているからといっていますぐ大きな問題が起こるわけではありませんが、早めに外壁塗装を計画しましょう。

 

塗膜の剥がれ

塗膜が浮いて剥がれている場合は早めに外壁塗装を依頼しましょう。

剥がれた部分は外壁がむき出しになっており、水が染み込みやすくなっています。また、剥がれている部分から水が入り込んで剥がれが全体に広がるおそれがあります。

 

ひび割れ

ひび割れはその大きさによって緊急度が異なります。
0.3mm以下のひび割れはあまり緊急性が高くなく、外壁塗装で補修が可能です。
一方、0.3mm以上のひび割れは外壁材にまでひびが達している可能性があるため、ひびの補修が必要です。

ひび割れの深刻度は専門家に見てもらった方が良いので、見つけたらまずは外壁塗装業者に相談してみることをおすすめします。

 

外壁塗装は定期的に塗り替えをする

外壁塗装は定期的な塗り替えが必要です。

屋根や外壁は毎日紫外線や風雨が直接当たっており、やがて防水機能が失われていきます。

防水機能が失われると雨漏りリスクが高まり、住宅の寿命を大きく縮めてしまうため、お住まいを長く健康に保つためにも、外壁塗装は必須となります。