「新築からどれくらい経ったら外壁塗装が必要なのだろう?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
外壁塗装は年月が経過すると劣化しますので、定期的な塗り替え工事が必要です。
このページでは、外壁塗装の適切な塗り替え頻度について解説します。
外壁塗装は定期的に塗り替える必要がある
外壁と屋根は毎日風雨や太陽光による熱と紫外線にさらされています。
外壁塗装の塗膜は建物を風雨と紫外線から守る役割をしていますが、塗料に含まれている樹脂が太陽光により破壊され、一定期間を過ぎると劣化してしまいます。
塗膜が劣化すると、建物を守る機能が低下し、雨水の浸入リスクが高まります。
外壁から雨水が浸入すると雨漏りリスクが発生し、建物の寿命に関わってくるため、定期的な外壁塗装が必要です。
外壁塗装の頻度は10年おきが目安
外壁塗装の頻度は10年おきが目安とされています。
しかし、実際には塗料の種類により耐用年数が異なりますので、塗料に合わせて外壁塗装を計画することになります。
塗料ごとの耐用年数は以下にご紹介しますが、一般的な目安として「10年」と覚えておくと良いでしょう。
【塗料の種類別耐用年数】
種類 耐用年数 施工単価(㎡)
ウレタン塗料 約6~8年 約1,700~2,200円
シリコン塗料 約8~12年 約2,300~3,000円
フッ素塗料 約12~20年 約3,800~4,800円
光触媒塗料 約15~20年 約4,200~5,000円
無機塗料 約20~25年 約4,500~5,500円
一般的に耐用年数の高い塗料は施工単価も高くなる傾向があります。
主な外壁塗料の種類
外壁塗料は使用している材料により、特徴が異なります。
最近では機能性塗料も増えており、建物が建っている場所の環境により使い分けると外壁塗装のもちを長くすることができます。
ウレタン塗料
ウレタン塗料はポリオール樹脂とイソシアネート樹脂を組み合わせて作った塗料です。
光沢のあるツヤツヤな仕上がりになるのが特徴で、柔軟性と密着性に優れているため、モルタルやコンクリートなど、ひび割れが起こりやすい外壁材に適しています。
シリコン塗料
シリコン塗料はシリコンを主な原料とした塗料で、耐用年数と価格のバランスが良いため、現在最もスタンダードな塗料です。
カラーバリエーションも豊富で製品の種類も多い為、好みの色を探しやすいのもうれしい点です。
特に塗料のこだわりがない場合はシリコン塗料を選ぶと良いでしょう。
フッ素塗料
フライパンに使用されているフッ素を主材とした塗料です。
フッ素は航空機にも使用されており、熱に強く、紫外線から外壁を保護して劣化を防ぐ機能があり、対候性が高いことでも知られています。
また、親水性、低摩耗性にも優れており、汚れが付着しにくいだけでなく、雨が降ると外壁上に水の膜を作って外壁の汚れを浮かせて落とす効果もあります。
光触媒塗料
光触媒塗料は、酸化チタンを含む機能性塗料で、光に当たると水、酸素と反応して有害物質を二酸化炭素に分解して無害化する機能があります。
親水性があり、雨が降ると外壁上に水が広がり、外壁の汚れを洗い流すだけでなく、排気ガスや工場の排煙のような油汚れを分解する効果が期待できます。
無機塗料
無機塗料はセラミックやケイ素などの鉱物が主成分の塗料で、無機物が主材になっています。
一般的な塗料は樹脂が多く含まれていますが、有機物の樹脂は紫外線により次第に劣化していきます。
一方で、無機塗料は無機物が主な成分ですので、紫外線により破壊されにくく耐用年数が非常に長いという特徴があります。
ただし、無機塗料は海沿いの建物や橋梁など劣化しやすい場所や塗り替えをしにくい建造物に広く使われている塗料で、住宅の外壁塗装にはややオーバースペックな面もありますので、よく考えて採用するようにしましょう。
シーリングの耐用年数
外壁にサイディングボードなどを使用している場合、サイディングボードのつなぎ目の目地にシーリング材(コーキング材)を詰めて防水性を高めます。
シーリングは地震などで家屋が揺れた際、揺れを吸収する役割も持っています。
このシーリングですが、耐用年数は5~10年と言われており、劣化すると以下のような症状が現れます。
・シーリングそのものにひびが入る「ひび割れ」
・シーリングが外壁材から取れてしまう「欠落」
・外壁材からシーリングが剥がれてしまう「剥離」
・シーリング材が切れてしまう「破断(はだん)」
シーリングが劣化するとそこから雨水が浸入し、外壁材を傷めたり雨漏りするリスクが高まります。
そのため、シーリングを上から追加する「打ち増し」または古いシーリングを取り除き新しいシーリングを充填する「打ち替え」のどちらかでリフォームする必要があります。
シーリングの耐用年数と外壁塗料の耐用年数に違いがありすぎると工事の手配も大変ですので、同時にリフォームできるよう、耐用年数を考えて外壁塗料の種類を選ぶのも1つのコツです。
屋根・外壁・付帯部分を同時に塗装すると費用を抑えられる
外壁塗装をする際は屋根塗装、雨樋や破風板などの付帯部分もいっぺんに塗装するのが費用を抑えるコツです。
屋根、外壁、付帯部分いずれも塗り替えの際は足場を設置します。
それぞれ別に塗り替え工事を行うとそのたびに足場設置料金がかかります。
足場代は決して安くはありませんので、すべて同時に塗装をして足場代を1回で済ませるのがおすすめです。
また、外壁塗装のリフォームのコツの1つに、屋根、外壁、付帯部分の耐用年数を合わせる方法があります。
それぞれ劣化する時期がバラバラだと工事のタイミングが合いません。
例えば、極端に耐用年数の長い外壁塗料を選ぶと外壁塗装の劣化の前にほかの部分の不具合が生じ、結局リフォーム回数が増えて費用がかさんでしまいます。
屋根は特に紫外線が当たるため、屋根の塗料は耐用年数の長い塗料、外壁はスタンダードな塗料、というように、それぞれの劣化時期が同じになるようにバランスを考えて塗料を選ぶと外壁塗装も1回で済みます。
外壁塗装はリフォームスケジュールに入れておくと安心
外壁塗装の頻度は使用する塗料により異なります。
外壁塗料を選ぶ際は機能性に加えて外壁塗装工事を何年おきに実施したいかも考えておくと塗装工事の手配が負担になりにくくなります。
また、外壁塗装は水回り設備などと同様にリフォームスケジュールに入れておき、深刻な不具合が出る前に定期的な工事をしておくと安心です。