気が付いたら自宅の外壁にひび割れを見つけた、という方もいらっしゃるかと思います。
外壁のひび割れは放置していると外壁の劣化が進行してしまったり、外壁材の内部に雨水が浸入して雨漏りの原因になることもあります。
ひび割れを見つけたらひび割れの状態や種類に適した補修を行う必要があり、なかには早急に補修した方が良いものもあります。
この記事では外壁塗装のひび割れの種類やひび割れが起こる原因、補修方法などについて解説します。
外壁のひび割れの種類
ヘアークラック（幅0.3mm以下のひび割れ）
幅0.3mm以下の細いクラックで髪の毛のように細いことから「ヘアークラック」と呼ばれています。
ヘアークラックはモルタルなどの下地まで届いていない塗膜のみにひびが入っている状態ですので、補修は外壁塗装で対応できます。
ヘアークラックは塗料や外壁材の乾燥収縮などが原因で起こり、モルタル外壁やコンクリート外壁にはつきもののひび割れです。
美観が悪くなりますが、構造上特に問題ありませんので、緊急性が低いひび割れであるといえます。
構造クラック（幅0.3mm以上、深さ5mm程度のひび割れ）
幅0.3mm以上、深さ5mm程度のひびは構造クラックと呼ばれるひび割れです。
別名貫通クラックとも呼ばれ、この幅のひび割れになるとモルタルにまでひびが達していますので早急な対応が必要です。
構造クラックの原因にはさまざまあり、施工不良や地震、地盤沈下、乾燥、経年劣化などにより発生します。
いずれにしても建物が動くことでひび割れが発生しており、シーリング材を充填して補修を行います。
外壁塗装にひび割れが起こる原因
経年劣化
外壁塗装のひび割れで最も多いのが経年劣化によるものです。
外壁は紫外線や風雨が直接当たる屋外の過酷な環境にさらされています。
外壁塗料に含まれる樹脂は紫外線に破壊され、年月が経つにつれて劣化していきます。
外壁の塗膜が劣化するとさまざまな劣化症状が現れますが、その1つがひび割れです。
外壁塗装をしてから10年程度経過して塗膜にひび割れが起こっている場合は、経年劣化が原因の1つと言えるでしょう。
道路の振動・地震
ひび割れの中でも特に構造クラックは建物が振動することによって起こる可能性があります。
車の往来の激しい場所の近くに建物が立地している場合、道路の振動が地面を伝い、建物を揺らしてひび割れを起こすことがあります。
また、地震もひび割れの原因となります。
地震の揺れの力に外壁が耐え切れずにひび割れを起こします。
サイディングのようなコーキングがある外壁の場合、コーキングがある程度揺れを吸収できますが、揺れが大きい場合などはコーキングが地震の力を吸収しきれずにひび割れが起こることがあります。
施工不良
ひび割れは施工不良でも起こります。
下地材と塗料の選択を誤ったり、十分に乾燥させないまま塗装をした場合などに塗膜にひびや剥がれが起こることがあります。
施工不良は外壁塗装から1～3年程度で不具合が現れます。
もし、外壁塗装の寿命としては早すぎる時期にひび割れが起こった場合は施工不良を疑いましょう。
施工不良の場合、保証期間内であれば補修が可能ですので、保証書を確認したうえで施工した業者に連絡しましょう。
ひび割れを放置すると危険
ひび割れは最初は小さなものだったのが放置していると大きくなり、深刻な状態を引き起こします。
具体的には以下のようなトラブルにつながる可能性がありますので注意が必要です。
外壁塗装の剥がれ
小さなひび割れでもその部分は水が入り込みやすく水が浸入すると塗膜が浮きやすくなります。
塗膜が浮いてくると外壁塗装の剥がれに繋がり、剥がれた部分は外壁がむき出しの状態になります。
外壁塗装は外壁を塗膜で多い、建物を雨水や紫外線から守る役割を持っていますが、塗装が剥がれるとその役割を果たせなくなってしまいます。
小さなひび割れでも放置すると、やがて外壁の剥がれとして全体に広がっていってしまいますので注意が必要です。
外壁材が傷む
ひび割れの隙間から雨水が入り込むと、本来であれば外壁塗装で防水されているはずの外壁材が水に濡れ、腐食してしまうことがあります。
外壁メンテナンスは通常は外壁塗装を行いますが、中の外壁材が大きく傷んでいる場合、外壁の張替えリフォームが必要になる場合があります。
外壁の張替えは大規模な工事であり、工事費用も高額になります。
大きな出費にならないためにも定期的なメンテナンスと、ひび割れを見つけた際の適切な対応が必要です。
雨漏り発生リスク
ひび割れが深刻になり、ひびが外壁内部にまで及ぶと、入りこむ雨水の量も多くなり、雨漏り発生リスクが高まります。
雨漏りというと室内にポタポタと水が落ちるイメージがありますが、柱や梁に雨水が染み込み、腐食させてしまうことがあります。
家の構造上重要な柱が腐食してしまうと建物の強度に関わります。
柱の交換は大規模な工事となってしまいますので、雨漏りが起こらないようにメンテナンスをすることが重要です。
また、外壁のひび割れから家の内部に雨水が染み込み、木材が湿気を含んだ環境ではシロアリ発生リスクもあるため注意が必要です。
外壁のひび割れの補修方法
ひび割れの補修方法はひび割れの規模により異なります。
業者に状態を見てもらい、適切な補修を行うようにしましょう。
外壁塗装
ヘアークラックなど塗膜のみのひび割れの場合、外壁塗装で補修が可能です。
ヘアークラックを見つけた場合、すぐに補修する必要はありませんが、なるべく早く外壁塗装を行うと安心です。
シール充填工法
ひび割れの幅が狭く、深刻ではないひび割れの補修で採用される方法です。
クラックにシーリング材を充填して埋め、上から外壁塗装をします。
Uカットシール工法
幅が0.3mm以上のひび割れの場合の補修方法です。
クラックの部分を電動カッターなどでU字にカットして整え、プライマーを塗り、シーリング材を充填します。
上から外壁塗装をして表面を綺麗にします。
外壁のひび割れを見つけたら早めに業者に連絡する
外壁のひび割れは状態によっては早急な補修が必要な場合があります。
外壁塗装にひび割れを見つけた場合、自分で判断せず外壁塗装業者に連絡して状態を診断してもらい、補修対応することをおすすめします。
また、経年劣化が原因のひび割れは外壁塗装を定期的にすることである程度防ぐことも可能ですので、外壁塗装はリフォームのスケジュールに入れておき、定期的にメンテナンスすると安心です。